僕は桜に恋をした。
花を買って電車でお墓に向かう。




「あ!奏太君!」




聞き慣れた声。




「あ、宮川。」



「今日用事あったんじゃないの?」



「うん、これから。」




「…あ、そうだ。」




そういって鞄から携帯を取り出す。




「よし!おっけー。じゃ一緒に行くから!」




そういって僕の隣に座った。




「でも今日3人で遊ぶんじゃないの?」



「いや二人の邪魔したくないじゃん?あ!大丈夫!連絡はしといたから!」




「なんて?」




「ごめーん!風邪ひいたみたーい!って」




そう言っていつも通りの笑顔を見せる。




「ということでついていきます!」




「いいけど全然楽しいところじゃないよ?」




「いいよ、全然!」










このときはまだ気づいていなかった。



いつも通り過ごしていたと思っていた日が、




こんな残酷な運命に、未来につながっているなんて。


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