僕は桜に恋をした。
桜を眺めていた時だった。




一人の少女が話しかけて来た。





「お、いしゃ、さん、で、すか?」





少女はカタコトの日本語で話しかけて来た。





「日本語喋れるの?」




少女は僕の言った意味がわからなかったらしく、ぼくは英語でもう一度聞いてみた。





『日本語喋れるの?』






『ちょっとしか言えないけどね。』





少女は笑顔でそう言った。





『英語は習ってるの?』





『先生に教えてもらってるの!』





『そうなんだ。』





『ここに来るといっつもいるんだ!』






『先生の名前はなんていうの?』





「みや、かわ、せんせい!」





宮、川…?




偶然だと思った。






『ちょっと!こんなところにいたの?』




「せんせい!」







聞きなれた声…。





懐かしい声…。









ずっと聞きたかった声…。








「宮川…。」
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