僕は桜に恋をした。
「あのね…」


「ちょっとまって!外で、話さない?」





なぜか、



なぜか知らないけど外に出たくなった。



桜が見たくなった。






宮川は何も言わずに上着を着て外に行く準備をした。





桜並木の所に来て少し前を歩いていた宮川は急に後ろにいる僕の方を向いた。






「私なの。」






彼女は僕の目を見てはっきりとそう言った。





「え…?」




なんのことなのか全然分からなかった。







「私が、あなたのお兄さんを殺しました。」



















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