僕は桜に恋をした。
僕はすぐに家を出た。





紙に書いてある住所は思ったより遠くなかった。





僕はタクシーでそこに行くことにした。





「中谷 夏美」




紙にはそう書いてあった。




兄ちゃんとはどんな関係なんだろう?




「…お客さん!着きましたよ!」



「あ、すいません…。」




僕は急いでお金を出した。




「ありがとうございました。」




そこはごく普通アパートだった。



僕はもう一度紙を確認した。



よく見るとちゃんと部屋番号まで書かれていた。




僕はその部屋に向かった。




「ここか…。」




でもその部屋の電気はついていなかった。




今日は平日だ。普通は仕事に行っているだろう。




僕は部屋の前で帰るかどうか悩んでいた。




「…ん?」




何かを落としたような音がした。



横を見てみるとそこには女性が立っていた。




「…圭太…。」




なんで…兄ちゃんの名前を…?






「中谷、夏美さんですか…?」



その女性は座り込んで、泣いていた。






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