僕は桜に恋をした。
僕はどうすればいいのか分からず、彼女が泣き止むのを待った。






彼女はまだ少し涙目だったが、立ち上がった。






「…どうぞ。」






そう言って彼女は部屋のドアを開けた。






「ここに座っててください。」






そう言って彼女はキッチンでお茶を入れ始めた。





「奏太君でしょ…?」





僕の事を知ってるってことはただの知り合いではなさそうだ。





「中谷夏美です。はじめまして。」



年齢は40代ぐらいで綺麗な人だった。




「兄ちゃんとはどんな関係だったんですか?」





「恋人同士だったの。」




恋人…




兄ちゃんが付き合ってるなんて全然知らなかった。




「…あの日、兄ちゃんが事故にあった時のこと、知ってますか…?」





一瞬、夏美さんから笑顔が消えた。






「あの日、私たちは一緒にいたの…。」
















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