これを恋と告うのなら。
「よし、レッツラゴー!」
「ゴー」
「ほら瑠羽!もっと元気にいかな、謙成先輩落とせへんで!」
「まって初耳。誰が誰を落とすって?」
「え、瑠羽が謙成先輩を」
「言った覚えないんですけど!?」
「何を言っているんだ貴様。あれほど男を落としてきたというのに」
「いや知らんわ。てか何キャラそれ」
最近のこいつは、謙成先輩推しが半端ない。
どうしてそんなに関わらせたいのか・・・。
「とりあえず行くよ」
まだどーのこーの話す未佳を引っ張り、ビデオカメラを持って外にでた。
「はい、OKです!ありがとうございます!」
「よっしゃ!!ちゃんと俺の勇姿映ってる?!」
「うん!相変わらずかっこよかったよ!」
「バカ、照れるじゃねぇか」
「まさくん・・・」
「あーまた始まった」
やっとラストのサッカー部を撮りに来たのはいいものの、胸焼けするような光景を目の前で見せられている。
未佳がサッカー部のマネージャーに入った理由。
それは、サッカーが好きなのもあるけど、もう一つは・・・真斗先輩に近づくため。
1年の夏に落し物を拾ってもらい、そのときの笑顔に惚れたとか何とか・・・。
未佳の猛アタックにより、今付き合っていてこんなラブラブカップルになっている。
何回も見たことあるけど、よく人目も気にせずイチャイチャできるなぁ・・・。
私だったら絶対無理。
「はぁーー・・・」
「ねぇ、これどこ押せばいい?」
未佳みたいに可愛くないし、女の子らしくないし。
「・・・? 聞いてる?」
話し方だってサバサバしてるし、口悪いし。
「おーい」
ダメなとこばっか。
「おいこら!」
「っ?!!」
急に聞こえた大きな声に肩が上がった。
聞き覚えのない声に驚き横を向けば・・・
「あ、やっと気づいた」
背が高くてチャラさをかもしだした男がいた。