《短編》*さよなら、また明日*
ーーーー半年前。
あたしは、両親からずっと虐待を受けていた。
小さい頃からだったので、もう両親の殴ろうとして翳す腕はこわくない。
ナイフなどの刃物さえもこわく感じることができなくなった。
「こんなの、痛くない」そう自分に言い聞かせて、我慢し続けてたんだ。
あの日もそうだった…
「今日は遅くなる」
「貴方はいつも、でしょ」
カチャカチャと、食器の音が聞こえる。
朝はほとんど無言で、あたしがこの二人の機嫌を損ねたりしたら、あとは地獄がまっている。
緊張感がひしひしと伝わり、手は震えていた。
こんな姿も見られたら、また殴られる。
どうしてなの?どうして、あたしなの?
そう思っても仕方ない。
あたしは、この二人の間に生まれた子供。変えられない運命なんだ。
スカートを握る手の力が強くなる。
『あ、あたし…今日…入学式…なの』
あたしが話すだけで、機嫌を損ねたりしてしまいそうな雰囲気。
もう、いやだ……死にたい。