《短編》*さよなら、また明日*
ーーーーー……
さけんだからか、喉を痛めていた。
でも、過去を振り返ってると心が痛んできた。
あたし…自分で死んだ。
自分で自分というひとを殺した。
制服の袖をめくる。
すると、両親から受けてきた今までの傷が痛々しくのこっていた。
『……あたし……』
ため息を吐く。そのため息は、白くなることはなく、ただ消えていく。
それだけで、現実を叩きつけられた。
あたしの周りのひとは、誰もいないかのようにあたしの体をすり抜けていく。
何か感じるわけではないが、感じる違和感。
そして、感じる胸の痛み。
涙はもう、かわいていた。
いや、出なかった。
あまりに苦しくて、泣きたくて…
でも、もう泣けない。
あたしは、罪を犯したのだから。
ねえ、真琴くん。あたしね、真琴くんと暮らしていてわかったことがあるの。
人間は、ひとりじゃ生きていけない。
あたしは、いつもひとりだったからひとりで虚しく死んでいった。
そんな人生、真琴くんには見せたくない。
真琴くんは、今まで辛い経験がいっぱいあったはず。
だからこそ、真琴くんには幸せになってもらいたい。