《短編》*さよなら、また明日*
ーー茅野さんが出ていってから、僕もすぐ彼女を探しにいった。
けど、彼女はどこにもいなかった。
そう…どこにも。
はあ、はあ…と息が切れる。
公園から走って、いまは彼女を探すついでに今夜泊まるホテルをさがしている。
どうして、キミは突然現れて突然消えるの。
でも、あれは僕がわるい。
だから、謝らして。
僕に「ごめん」て言わせて。
そうじゃないと、キミのこと恨むから。
だから……
『戻ってきてよ、ばか』
幽霊なんでしょ。
だったら、壁でもすり抜けて、僕の前に現れてよ。
僕は、キミがいないと…楽しくない。
僕は、幽霊なんか信じない。それと同時に彼女も信じてなかった。
だけど、彼女のまっすぐで綺麗な瞳を見てわかった。
彼女は、いい子だって。
だって、あんなに綺麗な瞳を見たことない。
きっと、キミはいろんな世界を見てきてる。
だからこそ、キミはあんなに明るく、優しくできるんでしょ?