桜前線
第一章 Memory
これは日記である。
あなたと私を繋ぐ、日記…
あなたの生きた証。
どこから思い出そうか…
最初から思い出そう。
長い長い 記録を…
幸せの記憶を。
瀬川 美月
私の名前である。
もうすぐ苗字が変わる筈だった。
鮎澤 和津
私の大好きな人の名前である。
この人とずっと一緒に居られる…
そう思ったいたんだ。
私は、新築の木の温もりが包む白と黒を貴重としたシンプルで、少し洒落てると言われた家で暮らしていた。
ある日、洒落た家にあまり似合わない私が提案した真っ白い普通のポストに手紙が届いた。
もう二度と 会うはずの無い
大好きなあの人からの手紙が…。
封を開けてみると、そこには数枚の便箋と、あの人が最後に目にしたと思われる、とても綺麗な桜の木がある丘の写真と共に 私の記憶を蘇らせた。
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