桜前線
あれから数日後、教室でクラスメイトとお弁当を食べていた時のこと。
「美月って男前だよね」
突然、そんな事を言い出した彼女は長谷川優里。
高校入学してから一番最初に声をかけてきて、喋ってるうちにそれ以来2人で行動が多くなりクラスメイトの中で一番仲が良い。
ちなみに第一印象はハスキーボイス。
そしてギャル。
というか、普通にお洒落な女子高生。
「どこが男前よ!?」
優里の唐突な意見で、飲み込もうとした卵焼きを危うく喉につまらせるところでむせた。
「え?仏頂面なとこ?笑うと可愛いのに勿体ない〜笑」
そう言ってケラケラ笑う彼女の綺麗に染められた髪は、明るく少し赤っぽくて、窓から差し込む陽の光のせいで眩しかった。
私たちの通う高校は特に厳しい校則も無く、頭髪もピアスも自由だった。
「男前ねーーー。私に女子力がないって事!?ねぇ、優里」