彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました
「いや、父親からの連絡こそなかったが、離婚はしてなかった。ずっと、別居だった」

「そうなんだ」

女神様は、悲しそうに笑った。

「でも今朝、父親から離婚届が家に送られてきたんだ。手紙と一緒にね」

僕は送られてきた父親からの離婚届と手紙を思い出して、奥歯を噛みしめた。

今までしっかり僕たちに毎月生活費を送っていた父親には感謝しているし、父親が他の女性のことを好きになるのも、この別居した家庭環境だったから攻めるつもりはなかった。しかし、もう一度前のように家族三人仲よかった家庭にプレイバックしたかった。

「父親に会いたいっていうのが、願い?」

「いえ、違います。父親がもう一度家に戻ってきて、家族三人仲よかった家庭に戻りたいのが願いです」

僕は、首を左右に振って言った。

僕の脳裏に、家族三人仲よかった記憶がよみがえった。
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