彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました
「もっと、早く寝ろよ」

「うるさい」

僕は、刺々しい口調で言った。

夜遅くに帰宅する母親のせいで、僕の睡眠時間が少なくなっていたことにイライラが募っていた。しかし、それ以上に尊人とつぼみがなかよくなっているのがムカついた。

「最近尊人、広瀬となかよくないか?」

僕は、低いトーンで尊人に訊いた。

「そうか、別に普通だろ」

尊人は、さらっと言った。

「じゃあなんで、一緒に帰ったりするんだよ?」

僕は、語気を強めて訊いた。

学校の帰り道、僕のいないところで尊人とつぼみが楽しそうに会話している姿を想像すると、イライラが増した。

「別に、一緒に帰るぐらいいいじゃないか。てか、なんでそんなに怒ってたんだよ」

「それは‥‥‥」

それを言われると、僕は何も言えなくなってしまう。

ーーーーーーつぼみのことが好きだから、お前となかよくなってほしくないんだよ。

しかし、そんなことを言えない僕は、「最近お前、土日なにしてんだよ?僕の誘い断ってるけど」と、不満げな表情で訊いた。
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