彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました
「また、その質問かよ。別に、なにもしてないよ」

尊人は呆れた表情を浮かべながら、手をパタパタと振った。

この質問は二週間ぐらい前から彼にしつこく訊いているが、尊人は「別に、なにもしてない」と言うだけ。

僕が、彼にこの質問をするようになったのは、つぼみが原因だった。尊人と一緒で、つぼみも僕の休日の日の誘いを断っていたからだ。そのせいで、二人の関係を僕は二週間前ぐらいから怪しむようになった。

「願。悪いんだけど、五千円くれないか?帰りに、ほしいゲームがあるんだ」

軽く微笑んで、尊人は右手を差し出した。

「はぁ、意味わかんねぇ。なんで、僕がお前にお金をやらないといけないんだよ」

「だって願、いつも俺にお金くれてたじゃん」

尊人は、軽い口調でそう言った。

確かに今まではお金への執着心はなく、五千円でも一万円でも尊人にあげていた。でも、たくさんあった貯金が減りつつあり、僕とつぼみがつなげているのが、〝お金〟だということに前のようにむだつかいはできない。
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