『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
その瞬間、美鈴は後ろから凄い勢いで手首を掴まれた。
それを見て東が目を細めた。
「、、、何かな。神崎、、、伊織君?彼女を返してくれないかな。美鈴ちゃんは私の恋人だよ。今日は夜ご飯をご馳走になっていたんだよ。あんなに美味しい食事をしたのは初めてだった。彼女を奥さんにしたいんだよ。」
「、、、、それをわざわざ見せつける為に、、、?だとしたら軽率な行動だ。生憎、今は気が長い方じゃない。」
殺気だった声に体が震える。
そしてゆっくり振り返る。
久しぶりに見る伊織は、目に色がなくて美鈴の目には違う人に映った。
それが怖くて後ろに後ずさる。
「あ、、、。」
手がガッチリと掴まれていて下がれない。