『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
動き出す思惑


「ただいま〜。」

今日は久しぶりに実家に帰って来ていた。

玄関に靴が1つ多くあり、顔を傾げながら中へ入っていった。


「美鈴ちゃんっ!おかえりなさい。お邪魔してます。元気だった?」


そこには伊織の母親である詩織の姿があった。



「詩織おばさんっ!久しぶりです〜〜。」


還暦過ぎているとは思えない美しさでいわゆる美魔女というやつだろう。


若い頃はその整い過ぎた顔立ちの所為で苦労したとよく母が言っていた。

そんな詩織を射止めたのが、神崎ホールディングスの跡取りであった神崎暁人。


伊織の父親である。
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