『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
昔から勘のいい美織は厄介だ。
こいつは何でもお見通しだ。
「とにかく、、、余計なことはしなくていいから帰れ。本当に鈴が大事なら、相手は俺じゃないだろ。あいつにはもっと相応しいやつがいる。」
そう言って無理やり立たせて、
玄関へと美織の背中を押す。
不服そうな顔をしながらも、渋々と出て行く。
「鍵もしないで女連れ込むのは、流石にどうかと思う。美鈴姉ちゃん来たらどうすんの。」
「此処には来たことない。」
「はぁー?!美鈴姉ちゃんのアパート、目と鼻の先なのに!?」
いちいちオーバーな妹に苛立ちを隠せない。