『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
過去の過ち
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あれは今から14年前。
美鈴が17歳、伊織が18歳。
伊織の高校の卒業式。
ボタンというボタンがもぎ取られ、見るも無残な伊織がいつものように教室に迎えに来た。
「あははっ。凄いなぁ〜いお兄。寒くない?」
苦笑いしながら、鞄を持って近づく。
「、、、寒い。早く帰りたい。」
「うん。早く温めないと風邪ひくね〜。」
並んで歩く、最後の帰り道。
明日からは伊織は離れた大学に通うため、独り暮らしを始める。