幸せを探して
「…元気、だった…?」


口を開き、私はすぐに後悔した。


なんてことを聞いたのだろう。


私が作り出した幻かもしれないと言うのに。


ああ、早く寝なければ。



「元気だったよ、美空よりも」


美花が笑い、私に向かって言葉を返してくれた。


「………これ、夢なの?」


いや、夢でなければ駄目だ。


こんな事が現実だったら、私はとうとう頭がおかしくなったのかもしれない。


「美空、怪しんでるよね?」


美花が突っ込むが、私は戸惑うばかり。


「え、だって…美花なの?そしたら、…え?」


1人でパニック状態に陥る私を見ながら、美花は笑い転げる。


「ちょっと、美空いつから疑い深くなったの?私、美花だよ?…ねえ、信じて」


最後の台詞が少し悲しそうに響く。


そこで私は、きちんと美花を見た。


美花は私とは違って私服を着こなし、しかも髪の毛まで結ってある。


「本当に、美花…?」


「そうだよ。せっかく会いに来たのに、怪しまれるなんて…」


と、美花はわざとらしく顔に手を当てる。


「ごめんっ」


私が謝ると、美花は笑いながら首を振る。


「ううん、私も会えた事に驚いてるから」
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