幸せを探して
この一言で、確信した。


これが夢だろうと何だろうと関係ない。


今私の目の前にいる人は、紛れもなく美花だ。


「美花……」


「何、美空?」


私の呼び掛けは、質問などではない。


ただ、嬉しかった。


こうやって、側に美花が居てくれる喜び。


愛する妹の名前を呼び続け、実感したかった。


「美花…私、ずっと会いたかった…」


言葉で表すことの出来ないほどの喜びが、涙となって溢れる。


斎藤君の前で見せた涙とは、また意味が違っている涙。


「ちょっと美空、やめてよそんな事言うの…」


その言葉とは裏腹に、美花の声も震えていた。


「今日は泣かないって決めたのにっ…」


美花は肩を震わせ、涙を拭う。


私はたまらなくなり、美花を抱き締めた。


温かい温もり。


その細い手も、微かに匂うシャンプーの匂いも、全てが生前の美花だった。


美花も私を強く抱き締める。


「私も…会いたかったっ…」


美花は嗚咽を漏らしながら私の肩に顔を埋める。


そんな妹を、私はこれまでに無い程強く抱き締めた。


姉らしく、私は妹の背中をさする。


「っ…ずっと、心配してたの…全然、美空が……笑わなく、なったからっ…」


美花は、とめどなく流れる涙を袖で拭きながら私を見つめる。
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