幸せを探して
って言っても、ほとんどの人が霊感無いから私達の事視えないんだけどね、と美花は説明する。


「でも、例外があってね。死んじゃった人の名前と関連するものがあれば、2時間の間だけ会いに来れるんだ」


「…ん?」


意味が分からず首を捻る私に、美花は分かりやすく説明してくれた。


“美花”という名前に含まれている漢字は、“花”。

斎藤君がくれたものは、ニゲラの“花”。

その花の花言葉は、“夢の中で会いましょう”。

自分の名前と関連する花で、なおかつ“夢の中で会いましょう”という言葉が含まれている。


美花の居る世界では、今回の件は、こちらに会いに行ける条件が全て揃った状況なのだという。



「会いに行けるって知った時、嬉しくて飛び上がったもん!」


美花は嬉しそうに語る。


「花でも、花言葉が“貴方を想っています”とかだったら、会いに来れなかったかも」


美花はさらりと恐ろしい事を口にする。


「じゃあ、斎藤君は…」


「もしかしたら、もしかしてって思ったのかもー!」


美花は枕をぱふぱふと叩きながら興奮する。


「良かったー、会えて!これで美空が起きなかったら、本当にどうしようかと思ったよ」


改めて、美花が私にお礼を言う。
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