幸せを探して
ここに居る3人は仲間だって事を示す様に、自分の過去も打ち明けた翔平君が居たよね。

美空は3人が居てくれたから、また笑顔を取り戻せたんだよ。

美空は、作り笑いの仮面を捨てる事が出来たね。

明るい感情も、また分かるようになったよね。

些細な事に、“嬉しい”とか“楽しい”とか、感じられる様になったんじゃないかな?

多分、昨日の放課後、美空は心から笑えたと思う。

美空は今、幸せなんだよ。

私が居た過去に囚われて、後ろばかり振り返らなくても、前を向いて歩けるんだよ。

美空は、それに気付かなかっただけ。

ううん、気付いていたけれど、気付かないふりをしていたんじゃないかな?

私が居た過去を、忘れたくないから。


私は、美空が私の事を思い出してくれるのは凄く嬉しいよ。

でも、後ろを向きすぎて立ち止まらないでほしい。

私が生きている未来を想像しても、現実にはそうはいかない。

もう、私は霊体になってしまったから。

今回の件は、稀なことなの。

それに、肉体を貰って会いに来れるのは、本当に少しの確率しかないんだ。

だから、こうやって美空宛に手紙を書けるのも、これが最後かもしれないの。


でも!

悲しまないで、美空。

この手紙を読みながら、泣かないでくれると嬉しいな。
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