幸せを探して
「美空の言った幸せは、正解かもしれないし違うかもしれない」


そんな私に、お父さんが語りかける。


「でも、幸せについて答えられた美空は、今幸せだ」


私は、お父さんの胸の中で頷いた。


リズムの良い心臓の鼓動をずっと、聞いていたかった。



そして、お父さんからピンク色のバッグを貰った私は、上機嫌で2階へと上がって行った。


(美花ー!バッグ貰っちゃったー!)


私は部屋のドアを開けながら、心の中で美花に自慢をする。


にこにこ笑いながら机にバッグを置き、それと入れ替えに交換日記を手に取る。


私はふうっと息をつきながら勢いをつけてベッドに横になった。


枕元に交換日記を置き、大きく伸びをする。


美花が来てくれたあの日から、私は毎日毎日日記をつけ始めた。


1度書いてみると、また楽しくなってしまった。



私はそのままの格好で、これまでの目まぐるしかった2週間を思い出した。



美花が私の所へ来てくれた数日後、私は朝早くに学校へ向かっていた。


誰かと約束をしていた訳でもなく、ただ気分だったけれど。


その日はジャージ登校だった為、肌がいつもよりも風を受け、少し寒かった。
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