幸せを探して
私が苦しんでいるのを見て、家族も悩んでほしくない。


だから必死に隠しているけれど。



雪は大好きだ。


なのにあの事故から、私は雪を見ることが出来なくなった。


雪を見ると、美花が倒れた日のあの雪と重なる。


真っ赤に染まった雪と。


美花の、痛さに悶え苦しむ顔と。


美花と車がぶつかる、あの嫌な音と。


一生聞きたくない、鈍い音。



そう、私は雪に対して一種のトラウマのようなものがある。


1年前のあの日以来、雪を見ると事故で亡くなった妹の事を思い出し、気分が悪くなることも少なくない。


倒れてしまう事だってある。


けれど、雪を見ることによって、私は私が双子であったという事実を痛感できる。


悲しくも嬉しい、辛くも切ないその事実を。


何度か深呼吸を繰り返し、落ち着くまで待ってから私は着替え始めた。


毎朝毎朝、


「ねえ美花、今日の髪型どうしようか?」


等と話すことはもう無い。


あの頃は、活気に満ち溢れていたのに。


家族も、楽しそうに過ごしていたのに。



着替え終わり、髪の毛をとかしながら涙がこぼれそうになり、私は下唇を噛んでこらえた。
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