幸せを探して
『嫌!!雪…美花…美花…嫌っ!』


『…ごめんね、美空ちゃんっ』


またぶり返す涙。


今度という今度は、私の涙もなかなか収まってくれなかった。


さっきよりももっとずっと長い時間をかけて止まった涙。


『ほんとにごめんね、美空ちゃん。…悲しませるつもりは無かったんだ』


隼人君は本当にすまなそうにしていた。


『こっちこそ…ごめんなさい、急に』


私の本性を見てしまった隼人君。


雪を見たら、私が私ではなくなってしまう。


もっと、怖がってもいいはずなのに。


隼人君は首を振る。


『大丈夫だよ。…美空ちゃん、早く良くなるといいね』


私は頷いた。


こんな苦しみから解き放たれるのなんて、時間はかからない。


そう、馬鹿みたいに信じ込んでいたから。



「…ちゃん……美空ちゃん?」


「へ?」


考え事をしていた私は、隼人君の言葉ではっと現実へと引き戻された。


「美空ちゃん、意識飛んでたよ」


「飛んでないよー」


私は思わず笑ってしまう。


いつの間にか、ポッキーは全て隼人君によって食べられていた。


「ふぅっ、美味しかった!」


「う、うん」


(1本しか食べてないけど)


そう、心の中で突っ込む。


「じゃあ、本題に入ろうか」


それは、突然訪れた。
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