別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー
穂積晴(ほづみはる)は26歳。秋の弟だ。

彼は秋の1歳下、私の2歳上で、店舗人事部で秋と同じように修業期間中だ。

秋は大袈裟にため息をついて、いかにも嫌そうに晴くんをじとっと見た。

「…お前何しにきたんだよ」

「セールの準備が落ち着いたって聞いたからさ。
今日はデートかなーって。
飲むとしたらこの店かなーって。
すげーな、俺。ビンゴ」

晴くんはいたずらをした子供みたいに歯を見せてニッと笑う。

「ったくどこからの情報なんだ。
わかってるならデートの邪魔しにくるなよ」

「いいじゃん、俺だってたまには仲間に入れろよ」

「偉そうに。小学生かお前は」

なんだかんだで仲のいい2人。一人っ子の私は見ているだけでほのぼのする。

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