別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー
月曜日、メールで呼び出した晴くんとは、この前と同じく常務室で待ち合わせをした。
「その後どう?」
ソファに腰かけ、晴くんはいつも通りそんなことを言う。
「お願いがあるんです」
私もソファに座り、姿勢を正して晴くんの瞳をじっと見つめた。
「この前言った通り、私はここを辞めて秋と連絡を断ちます。
ちゃんと気持ちの整理をつける覚悟もできました。
引っ越しも辞職も、普通なら時間がかかっちゃうものだと思うけど、もう婚約者と会うまで間もないんですよね?
なんとか進められますか?」
「…そっか、大丈夫。
けっこうウチの父親、ネットワークが広いから。
引っ越しも不動産関係もすぐ進める準備はできるし、辞職の件も俺が請け負う」
「あと…最後に、秋と会える時間を作ることはできますか?」
恐る恐る尋ねたつもりだったけど、晴くんは当然のように微笑んだ。
「もちろん、ちゃんと配慮する。
加奈ちゃんが最後に兄貴と思い出を作れるように」
晴くんのやさしさに涙が出そうになったけど、なんとかそれをこらえて頭を下げた。
「ありがとうございます、晴くん」
もう撤回はできない。
私たちの終わりはもうすぐそこだ。
「その後どう?」
ソファに腰かけ、晴くんはいつも通りそんなことを言う。
「お願いがあるんです」
私もソファに座り、姿勢を正して晴くんの瞳をじっと見つめた。
「この前言った通り、私はここを辞めて秋と連絡を断ちます。
ちゃんと気持ちの整理をつける覚悟もできました。
引っ越しも辞職も、普通なら時間がかかっちゃうものだと思うけど、もう婚約者と会うまで間もないんですよね?
なんとか進められますか?」
「…そっか、大丈夫。
けっこうウチの父親、ネットワークが広いから。
引っ越しも不動産関係もすぐ進める準備はできるし、辞職の件も俺が請け負う」
「あと…最後に、秋と会える時間を作ることはできますか?」
恐る恐る尋ねたつもりだったけど、晴くんは当然のように微笑んだ。
「もちろん、ちゃんと配慮する。
加奈ちゃんが最後に兄貴と思い出を作れるように」
晴くんのやさしさに涙が出そうになったけど、なんとかそれをこらえて頭を下げた。
「ありがとうございます、晴くん」
もう撤回はできない。
私たちの終わりはもうすぐそこだ。