別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー
友香 ―私にできること―
――友香――
「ねえ知ってる?
穂積兄弟がさあ、喧嘩してたらしいよ、午前中」
真衣はランチのカレーを食べながら、くぐもった声で言った。
彼女はまだ加奈のことを知らない。
一応今日からしばらく病欠扱いになっていて、そのまま退職ということになるらしい。
だから、時期を見て真衣やお世話になった人にお礼を言ってほしいと言われている。
「喧嘩って何?どんな感じ?」
「なんか弟のほうが怒鳴られてる感じだったみたいだけど、何話してたのかはわかんない。
イケメン同士の喧嘩、見てみたかったなあ」
事情を知らないとは言え、真衣はのんきなものだ。
加奈は、弟である晴さんが協力してくれて辞職の手続きがスムーズに進んだのだと言っていた。
秋さんはきっと、晴さんにそのことを問い詰めていたんだろう。
「食べないの?」
「あー、うん。食べる」
眉を寄せる真衣に、私は無理やり笑って割り箸を割った。
日替わり定食を買ってみたけど、あまり食欲がわかない。
加奈、大丈夫かな…
「ねえ知ってる?
穂積兄弟がさあ、喧嘩してたらしいよ、午前中」
真衣はランチのカレーを食べながら、くぐもった声で言った。
彼女はまだ加奈のことを知らない。
一応今日からしばらく病欠扱いになっていて、そのまま退職ということになるらしい。
だから、時期を見て真衣やお世話になった人にお礼を言ってほしいと言われている。
「喧嘩って何?どんな感じ?」
「なんか弟のほうが怒鳴られてる感じだったみたいだけど、何話してたのかはわかんない。
イケメン同士の喧嘩、見てみたかったなあ」
事情を知らないとは言え、真衣はのんきなものだ。
加奈は、弟である晴さんが協力してくれて辞職の手続きがスムーズに進んだのだと言っていた。
秋さんはきっと、晴さんにそのことを問い詰めていたんだろう。
「食べないの?」
「あー、うん。食べる」
眉を寄せる真衣に、私は無理やり笑って割り箸を割った。
日替わり定食を買ってみたけど、あまり食欲がわかない。
加奈、大丈夫かな…