別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー
どのくらいそうしていたのかわからない。

気づいたら窓の外はもう暗くなっていて、混み始めた電車に揺られ自分のアパートへ帰った。

泣き腫らした目は相当ひどい顔になっていたと思うけど、それを誰に見られようが気にする余裕はなかった。

倒れ込むように自宅のローソファに横になり、常務室のソファとは寝心地が全然違うな、と思うとそんな小さなことでもまた泣けてくる。

お昼も結局食べていないけど、何かを食べようという気にもなれない。

いつまでもショックに浸っているわけにはいかないのはわかっている。

今日予定外に帰ってしまった分、仕事はたくさん残っている。

否が応でも明日はやってきて、いつも通りに出勤して、積まれた仕事を片付けなければいけない。

だけど、今は社長と晴くんの言葉を全く咀嚼しきれていなくて仕事のことなんて考えられない。

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