別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー
時計は12時を指していて、ちょうど昼休みに入る時間だ。

「なんか食べてから戻るか。何がいい?」

「んー…」

少し考えたけど、食べたいものは何一つ浮かんでこない。

それどころか、何か食べたらさっきの野菜ジュースまで吐いてしまいそうだ。

「やっぱり今日は食欲ないみたい。
さっきジュース飲んだから、お昼はそれでいいよ」

「また倒れるぞ?」

「大丈夫。倒れたら太田さんに医務室に連れていってもらうから。
太田さん、ガタイがいいし」

「…それ、ヤダ」

ボソッと呟いて機嫌の悪そうな顔をする秋に、思わず笑った。

こんな小さな嫉妬すら私の気持ちを愛おしくさせるのに、嫌いになれなんて到底無理な話だ。



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