別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー
「お疲れ様です。戻りましたー」

「水原さん大丈夫!?」

「早退してもよかったのに」

周りの心配にえへへっと笑って返しながら、午前中の分を挽回するためにパソコンに向かう。

秋はあのままひとりでコンビニへ向かったはずだ。

スマホをしまおうとしたら、ちょうど手の中でバイブ音が鳴った。

秋からのメッセージだ。

『帰りは晴に送らせるから』

そんなに大袈裟なことをしなくてもいいのに、秋は時々父親みたいに心配性になる。

それが嬉しくもあり、申し訳ない気持ちにもなる。

本来なら、今は私のことなんて気遣っている余裕なんてないだろうに。

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