別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー
晴くんは何も言わずにコンビニの駐車場へと入り、車のエンジンを切った。

「何か食べれそうなもの買って帰ろう」

「食べれそうなもの…」

何も浮かばずポツリとおうむ返ししたけど、「行くよ」と半ば強制的に促され、とりあえず車を降りた。

晴くんの気遣いは嬉しいけど、これなら食べられそうだというものが見つからない。

結局、チューブタイプのゼリーとサンドイッチを手に取った。

晴くんはそれを受け取り、レジに並んで当然のように会計をしてくれた。


アパートに着いて車を降りるとき、晴くんは身を乗り出して穏やかに言った。

「加奈ちゃん、ごめん。
もし寝れないならそのまま起きて待ってて」

「え?」

「多分兄貴、今必死で仕事片づけてる最中だと思うから」

「…うん。ありがとう晴くん」

去って行く晴くんの車を見送って、真っ暗な部屋に入った。

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