別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー
「おはようございまーす」
「水原さん、販売部の葉山さんと婚約してるってホント!?」
「は?」
翌朝、私の声にかぶせて話しかけてきたのは同じ部署の前田さんだ。
前田さんは私の4つ年上の女性だけど、担当している仕事の内容が全く違うからこんなふうに話す機会もあまりない。
「会社の前で修羅場になってるのを見たって子がいてね。
葉山さんが結婚する予定なんだって言って相手を追い払ってたって。
かっこよかったって言ってたよお。私も見たかったあ」
朝一番とは思えないこのハイテンションと饒舌ぶり。
妄想でもしているのか、斜め上を見て手を組んで目を輝かせている。
チラッと秋のほうに目を向けたけど、秋は真っすぐにパソコンに向かって、始業前なのにいつも通り仕事をしている。
この会話、聞こえていないといいんだけど…
「結婚とかそういうのじゃないです。
たまたま変な男から守ってくれただけで…」
「守る!んー素敵!」
さっきよりさらに目をキラキラさせる前田さんに、厄介だなと思いながら曖昧に笑った。
必死に否定したところでますます冷やかされるだけのような気がする。
これ以上騒がれて周りに聞かれたくない。
「水原さん、販売部の葉山さんと婚約してるってホント!?」
「は?」
翌朝、私の声にかぶせて話しかけてきたのは同じ部署の前田さんだ。
前田さんは私の4つ年上の女性だけど、担当している仕事の内容が全く違うからこんなふうに話す機会もあまりない。
「会社の前で修羅場になってるのを見たって子がいてね。
葉山さんが結婚する予定なんだって言って相手を追い払ってたって。
かっこよかったって言ってたよお。私も見たかったあ」
朝一番とは思えないこのハイテンションと饒舌ぶり。
妄想でもしているのか、斜め上を見て手を組んで目を輝かせている。
チラッと秋のほうに目を向けたけど、秋は真っすぐにパソコンに向かって、始業前なのにいつも通り仕事をしている。
この会話、聞こえていないといいんだけど…
「結婚とかそういうのじゃないです。
たまたま変な男から守ってくれただけで…」
「守る!んー素敵!」
さっきよりさらに目をキラキラさせる前田さんに、厄介だなと思いながら曖昧に笑った。
必死に否定したところでますます冷やかされるだけのような気がする。
これ以上騒がれて周りに聞かれたくない。