《クールな彼は欲しがり屋》
本日はホワイトクリスマスになるかもしれません

すき焼きを堪能したあと、沢田課長に緑茶を出した。 

「コーヒーとかの方が良かったですか?」

「いや、出されたものが何であっても文句言わない主義だ」

「じゃあ、コーヒーのが良かったってことですか?」

「いや、お茶でいい」
難しい。
姿勢よくお茶を飲む沢田課長を見つめて、長いため息をもらした。

どうしたら、沢田課長と自然に仲良く出来るのだろう。どうにも緊張してしまう。

私を好きだと言ってくれた初めての人。
沢田課長は貴重で私には極めて重要な人物に違いない。だとすれば、このまま微妙なこの彼氏彼女の関係を続けていきお互いに本当に付き合っていけたら嬉しい。



微妙な関係を確実な関係に変えるために私は努力してみることにした。

「健太郎さん!」

「ぶっ!突然だな」
沢田課長はお茶を吹き出しそうになって私を見た。

「どうですか?」

「は?何がどうなんだ」

「私に名前を呼ばれて嬉しいですか?きゅんときました?ときめきます?」

「ときめく?よく恥ずかしくもなくそんな言葉使えるなぁ。30にもなって」

「30になったから重要なんです!色々とこの年まで未経験だから、だから尚更、恋愛するなら.... 」

30才だからこそ、私は真剣だ。

「恋愛するなら、ときめきたいんですっ」

言えた。

口を少しだけ開けて、沢田課長はびっくりしたような表情をみせている。

やっぱり、驚かれるか....。

30女がときめくなんて言葉を使ったら、やっぱりダメなんだろうか。
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