《クールな彼は欲しがり屋》
「寒い?」
クリスマスイブの都会のイルミネーションは、豪華だ。
青く光る並木道。
金色のトナカイが金色のソリに乗ったサンタクロースを引っ張っている。
私の手は、握られて健太郎のポケットの中だ。
鼻をすすって笑顔で健太郎を見上げた。
「綺麗だな」
街全体がクリスマスに彩られていた。
歩道橋の上から眺める並木道。
それを眺める健太郎の横顔は、思わずみとれてしまうくらいに素敵だ。
素敵。
そういえば、素敵なイブを過ごさないと!
私はある種の使命感に燃えていた。