"俺"はこんな筈じゃなかった。
事実_

病む
聞いたことはあった。

奏斗は時々病むようだ
過ごしているうちに分かってきた。投稿した画像のコメント欄に呟く。大丈夫、何でもないよ、とそれしか言わない。
その度に俺は何度もしつこい位に声を掛けて抱きしめた。
画面でしか伝えられない、でも画面だからこそ格好を付けてでも伝えられる言葉がある。
そう思った。


そして君は言った。
「僕心は男だけど身体は男じゃないんだ。ごめんね。気持ち悪いと思ったら離れていいから」

まさか、な
こんな事を言われるとは思わなかった。
奏斗が女?
驚きだった。驚きしかなかった。
驚きと同時に狡いとも思った。


後先を深く考えなかった俺は離れる訳にはいけない、この人を1人にはできない、ただそれだけの思いで

「離れる訳ないでしょ。俺は本当に奏斗が好きなんだよ、愛してる。
一緒にいたいんだよ」

と、打ち込み送信ボタンを押した。


「ありがとう。愛してる」
そう返ってきた。




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