蒼姫様は、守られません!!③~完~
姉様のお母さんは後悔しているのか

口元を手で覆っていた



「私はね、姉様...

あの頃の私はそうやって、何かを吸収することが生き甲斐だった

生きる意味だったの」



父様が亡くなって、姉様に話し掛けづらくなって

やることがそれしかなかった



「確かに、それ以来話すことが減ったけど...

でも、愛桜はいつも私を救ってくれてたわ

ありがとう、愛桜」



久し振り向けられた笑顔に涙腺が緩む

話すことが減って、周囲の称賛がさらに大きくなって

それからは、姉様が私を見る目が冷たかった

それが寂しかった、どうしようもなく



「ねえ、茉緒?

貴女そんな風に思ってたの...?

ごめんね、ごめん...!

貴女のこと、しっかり見てあげられなくてごめんね

愛してるわ、茉緒...」

「母様...!」



抱き締められて、そう言われて

姉様の涙が溢れ出す

姉様は嬉しそうに泣きながら笑った



「やっと、聞けた...」
< 13 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop