蒼姫様は、守られません!!③~完~
「記憶を無くしてたときのこと...」

「まぁたんが気にすることはないよん?

まぁたんが〈狂蝶〉ってことは変わらないしね!」



屈託のない笑顔で笑う来那にありがとうと笑い返す


〈狂蝶(キョウチョウ)〉の名前の由来って確か...

私が荒れてたときに来那が

狂ってるみたいに見えるけど、どこか儚げで綺麗だねー

って言ったことだったな、とふと思い出す



「姉さん」

「瀬良?」

「好きです」

「えっ!?」



驚いて振り向けば、前方で来那がくすくすと笑っていた

その様子を見て冗談かと思ったけど、

瀬良を見てそれはないかなと思い直す



「えと、まず一つ。

2人って姉弟なんじゃないの?」

「昔からの癖で姉さんって言っちゃいますけど、従姉弟です」



なるほど、だから、姉弟にしては似てないと思ったよね

来那が笑ってた理由も理解した


ということは...私のお父さんの兄が瀬良のお父さんで、

瀬良のお母さんが来那のどちらかの親の兄弟なのか



「ほら、来那?笑ってないで返事しなさいよ」

「うん...」
< 17 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop