蒼姫様は、守られません!!③~完~
「今ならまだ間に合うから」

「...うん。ありがとう、愛桜」



覚悟を決めたように頷いて皐月は走り出した



「愛桜」



一台の車が止まった

呼ばれた声に振り返って、笑う



「ただいま。お父さん、お母さん」

「「おかえり」」



二人は車から降りると声を揃えて、返してくれた

お父さんが頭を撫でながら、優しく言った



「帰ってきてくれて、ありがとう」

「こっちの台詞。

...帰って来られる場所を残してくれて、ありがとう」



藍月後継者の一人でなかったら

私はまた角川に縛られていただろうから



「さぁ、帰ろう」

「ええ、そうね。ほら、愛桜。早く乗って」

「はーい。...優!」

「やっほー、愛桜ちゃん」
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