蒼姫様は、守られません!!③~完~
行くあてもなくて

適当に電車を乗り継いでたら

海の近くに着いて

全部、ぜんぶどうでもよくなってしまって

そのまま身を投げた


次に目を覚ましたのは病院のベッドの上

私は記憶を無くしてて

それが恐ろしくて、病院を夜中に抜け出した

そのとき、お父さんに出会った



「君は、」

「...っ」

「一度、家に来なさい」



お父さんに連れられるままやって来た家で

お母さんと羚くんに出会って、

お父さんが私にこう言ってくれた



「家の娘にならないか?」



家族になることを提案されて、私は受け入れた

きっと、寂しかったのだと思う

病院では祖父母に連絡がつかないと言われたから

それだけで祖父母は来ないことを悟っていたから


ひとまずは病院に戻って休んでいた

お母さんと羚くん、時々お父さんも見舞いに来てくれてすごく嬉しかった

それから、藍月の養子として楽しんでいた


一度だけ、神崎組の人に誘拐されかけて

その時は風稀さんに助けてもらった

だけど、風稀さんがいつもいるわけじゃない

だから...



「風稀さん、私に喧嘩を教えて

また襲われても一人で対処できるように」



風稀さんは渋ったけど、最終的には了承してくれた
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