イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「なんなのよ……」
部屋にひとり残され、脱力しながら小さくぼやいた。
色気のない下着とか、姉に向かって失礼でしょ。
そう思いながら、Tシャツをめくりあげ自分の付けている下着を確認する。
スポーツブラに毛が生えた程度の、レースもリボンもついていないシンプルを通り越して質素なグレーのブラジャー。
確かに、色気なんて一ミリもない。
私が持ってる下着は、多少色の違いがあっても全部にたようなもんだ。
もちろん前に拓海に抱いてくださいってお願いしたときも、同じような地味な下着を身に着けていた。
あの時拓海はなにも言わなかったけど、内心は色気がないってあきれてたのかな……。
そう思うと、自分がますます情けなくなってしまった。
――『地味女にヒラヒラなんて似合わねー』
うつむくと、そんな嫌な記憶がよみがえってしまった。
男の子たちのからかう声が聞こえた気がして、胸がずきりと痛んだ。