イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「……嘘って?」

眉をひそめて聞き返すと、里奈がこちらに体を向ける。
真っ正面から見据えられ、思わずたじろぐ。

「ずっと前から、拓海くんのことが好きなくせに」
「な……っ」

妹に図星をさされ、体がかっと熱くなった。

「自分から告白する勇気もないくせに、あざとく料理がんばったりおしゃれしたりして拓海くんのそばにいて、卑怯なのはお姉ちゃんのほうじゃん」

反論の言葉もなくて、ぐっとのどがつまる。

「そうやって同い年の幼馴染ってだけでそばにい続ければ、自分が告白しなくてもいつか拓海くんが好きになってくれると思ってるの?」

容赦ない言葉に、胸を切りつけられる。

だけど、里奈の言うとおりだった。
卑怯なうそつきは、私の方だ。


肩を落としてうなだれた時、リビングに着替えた拓海が入ってきた。
さっきまでとは違う険悪な空気に、戸惑ったように足をとめる。


 
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