イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
その日、里奈は家に帰ってこなかった。
ひとりきりの部屋で、ベッドの中で丸なくって何度も寝返りをうったけれど、ちっとも眠くならなかった。
……拓海と里奈は楽しくふたりで食事をしたのかな。
テーブルの上に並べられた色鮮やかな料理は、私の作ったものより何倍も美味しいんだろうな。
あの料理を食べた拓海は、里奈とどんな会話を交わすんだろう。
私にしてくれたみたいに、頭をなでてあげたりするのかな。
仲のいいふたりの姿を想像すると胃のあたりがぎゅうっと苦しくなる。
里奈は私と違って可愛いし、素直で明るい。
そんな彼女に好意をストレートに伝えられたら、拓海だっていやな気持はしないだろう。
今後のあの部屋で、ふたりっきりでなにをしているんだろう。
そう思うだけで胸が騒いで、ベッドの中で何度も寝返りを打ってはため息をついた。