イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
そして愛の告白
どこかでなにかが鳴ってる。
ぼんやりとした頭で目をつぶったまま手を伸ばす。
手探りで四角いものに触れると、鳴り続けていた電子音に代わって『もしもーし。起きてる?』と明るい声が聞こえてきた。
「えっと……、スミレさん……?」
寝ぼけたまま耳にスマホを当てると、『やっぱり寝てたのね』と笑われた。
『今日うちでメイクの練習するって約束してたのに、来ないから』
そう言われ、一気に目が覚めた。
そうだ、スミレさんのおうちに遊びにいく約束をしてたんだ。
ベッドサイドに置いてあった眼鏡をかけて時計を見ると時間は約束を三十分オーバーした十時半。
「わ、すみません……っ!」
慌てて頭を下げながらベッドから立ち上がる。
『怒ってないから、そんなに慌てなくても大丈夫だよ。佳奈ちゃんが遅刻なんて珍しいから、もしかして事故にでもあったのかなって心配したんだけど、寝坊しただけでよかった』
優しく言われ、申し訳なくなる。