イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「な、なんか、恥ずかしいから、話して……」
この衣擦れの音とお互いの呼吸音しか聞こえない状態が、落ち着かなくて仕方ない。
「話してって、なにを?」
「なんでもいいから……っ」
なにか話しをして気を紛らわしていないと、情けなく甘ったるい声が次から次と口から洩れてしまいそうだ。
「じゃあ、佳奈はいつから俺のことを好きだった?」
そう問われ、呼吸を乱しながら口を開く。
「中学の、修学旅行の時、かな」
「あぁ、あの時か」
「怒ってくれて、すごく嬉しかった。……ありがと」
改めてお礼を言うと、拓海は「うん」と柔らかくうなずいた。
「拓海は……?」
「俺?」
今度は私が聞くと、拓海は私の体に手を這わせながら考えるように首をかしげる。
「いつからだったかな」
「忘れてるなんて、ひど……っ」
批難しようとした言葉は、拓海の意地悪な手の動きで甘えた嬌声変わってしまう。