イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「忘れてるわけじゃないけど」
恥ずかしさを紛らわすために会話をする作戦は、失敗だったかもしれない。
拓海はこんなに平然と話をしているのに、私だけどんどん呼吸が乱れていくのがはっきりとわかってしまう。
体の奥がじわじわと熱を持つ。
どうしていいのかわからなくて、膝をすり合わせながら唇を噛んだ。
「ちゃんと自覚したのは、高校の時かな。クラスの男がお前を好きだって言ってるのを聞いて、本気で嫉妬して自分の気持ちに気付いた」
そうなんだ、と相槌をうとうとしたけれど、うまく言葉にできなくて慌てて口を閉じる。
「だけど、それよりもずっと前から、お前のことが好きだったんだと思う」
もう返事をするどころか、ちゃんと言葉を聞き取ることすらあやうくて、必死にシーツをつかんだ。
「たぶん、ガキの頃からずっと、お前のことを意識してた」
溺れてしまいそうなほど甘い快感に、頭の中がぼうっとしてしまう。