イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
うるんだ瞳で拓海のことを見上げると、熱を持った視線と絡んだ。
いつもは涼しい表情で人をからかってばかりの拓海が、今は余裕をなくした表情で私のことを見つめていた。
きつくシーツを掴んでいた私の指を開き、指をからませ手をつながれる。
汗ばんだ肌が触れるたび、ぞくぞくと体の奥から快感が込み上げる。
「たくみ……っ」
流されてしまわないよう必死に藁に手を伸ばすみたいに、うつろな意識の中で拓海の名前を呼びながらつないだ手に力をこめた。
「佳奈、なに?」
柔らかな問いかけに、舌足らずな口調で「好き」とつぶやく。
「たくみ、だいすき……」
子供みたいに繰り返すと、拓海がくしゃりと整った顔を崩して笑った。
「俺も」
そう言って、苦しいくらい強い力で私の体を抱きしめる。
「好きだよ、佳奈」
耳元でそうささやかれ、込み上げた熱い涙が頬を伝って落ちた。