イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
黒い髪がさらりと流れ、頬に影を落とす。細い鼻梁とうっすらと開いた唇。
目を閉じていても、整った顔だなと改めて思う。
裸眼のぼやけた視界じゃよく見えなくて、もっとじっくり見たいなと体を起こし顔を近づけると、黒い瞳が突然開いた。
「ひっ」
驚いて跳び退るように身を引いた私を見て、目を覚ました拓海が「なにやってんだお前」と呆れたように笑った。
「べ、別に……」
じっくり寝顔を見たかったなんて変態みたいなことを正直に言えるわけがなくて、ベッドの上で後ろ手をつきぺたりと座って首を勢いよく横に振る。
「ふーん」
拓海は寝ころんだまま薄く笑い、こちらに手を伸ばした。
私の首の後ろに手を回し、そのまま背筋に沿って撫でおろす。
体のラインをなぞるようにゆっくりと動いた指に、びくんと体が大きく跳ねた。
「ひゃっ……!」
ぞくぞくと背筋が甘くうずいて、変な声がでてしまった。
それが恥ずかしくて、わざと険しい顔で拓海のことを睨む。