イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「いや、なんか、俺のものって感じがする」

私の手をにぎにぎと楽しそうに握りながらそんなことを言う拓海に、ぶわっと頬が熱くなった。
言葉をつまらせてうつむくと、拓海が下からのぞきこむようにしてこちらに顔を寄せてきた。

至近距離で視線が合い私が瞬きをすると同時に、ちゅっと短いキスをされる。
咄嗟に体を引こうとすると、後頭部に手を添えられて自由を奪われた。

「ん……っ」

下からすくいあげるように、触れては離れる短いキスを繰り返される。
唇が触れるだけのキスなのに、胸の奥がきゅんと甘くうずく。

昨日のことは記憶はおぼろげなのに体はしっかり覚えていて、優しいキスに勝手に体温が上がって体の中心がとろりと溶けてしまいそうになる。

思わず膝をすり合わせると、拓海の腕が私の腰に回った。
体を引き寄せられまばたきをすると、視界がぐるりと反転した。


 
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