イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「たくみ……?」

さっきまでは私を見上げていた拓海が、今は私におおいかぶさり見下ろしている。
ベッドの上で組み敷かれていることに気付いて、一気に頭に血が上った。

「佳奈」

甘い声で私の名前を呼んで、私の顔をのぞきこむ。

「体は大丈夫?」
「え、大丈夫って?」

私を気遣うように見上げる拓海に、首をかしげながら瞬きをした。

大丈夫ってなにがだろう。
そう思った瞬間、拓海に腰のあたりをゆっくりとなでられる。
いたわるような優しい手つきに、ぶわっと顔が熱くなった。

「あ、えっと、あの、大丈夫……」
「本当に? どこか痛かったりしない?」

真剣な表情で問われ、頷きながら眉を下げる。

「どこも痛くないけど……」

私がそう言い淀むと、拓海の顔が近づいた。
至近距離でじっと見つめられ、ますます困って視線が泳ぐ。

「けど、なに?」

問い詰めるように身を寄せられ、困り顔で口を開いた。


 
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